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おかげで、小さいころは私が姉だと勘違いする大人が多かった。
「とても寂しかった・・・・・・」
姉さんの手が、私の頬に触れる。
私はビクリと体が震えるのをおさえられなかった。
「―――おしおきね?」
そう言って姉さんは私を殴りだす。
何度も何度も。
狂ったように。
・・・・・・いや、本当に狂っているのか。
狂った姉と、壊れた妹。
歪な愛情と、無感動。
なんとも私達姉妹らしい。
姉さんは暴君で、私は悲しい人形だ。
いつまでも、この関係は変わらない。
ふと気が付くと、姉さんが殴るのをやめていた。
「・・・・・・」
姉さんは、フローリングに倒れた私を見ていた。
・・・・・・私、いつのまに倒れたんだろう?
私は起き上がろうとして両手を床につける。
―――と、
パタタ・・・・・・。
え・・・・・・?
床に何滴かの染みができた。
「・・・・・・そんなにお友達が死んだのが悲しいの?」
そう言われてやっと、私は自分が泣いていることに気が付いた。
涙は後から後から流れだし、私の頬と床を濡らす。
「・・・・・・私が死んでも、そんな風に泣いてはくれないんでしょうね」
姉さんが呟いた。
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