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「先生ー!
転校生くんは?」
先生の話が終わると
急に聞こえた声。
それが始まりとなって
騒がしくなる教室。
(バカバカしい。)
机に頬杖をついて
空を見上げていた
僕は素直にそう思った。
転校生なんて
すぐに飽きる。
「あー、そうだった。
よし!入れ。」
扉をばんっ、と音を発てながら入って来た。
その音にびっくりして見れば
転校生は…、
「遅ぇーんだよ。
いつまで待たせんだよ?」
イケメンで
不良くんでした。
「なんて、口の聞き方をするんだ!」
そう言ったのは
クラスの副担任。
正義感が強くて
担任よりも厳しい先生。
「は?いつまでも待たせるお前らが悪いんだろ?」
副担任に近寄って
睨み付けながら
胸倉を掴んで言い
副担任を壁に押し付けた。
「あー、はいはい。
俺達が悪かったからとりあえず、自己紹介しろ。」
今にも殴り合いが
起きそうな空気を
止めたのは担任だった。
「ちッ、高木雄也。」
舌打ちをして副担任の胸倉を離せば髪をガシガシと掻いて名前を呟いた。
「よし、高木は、有岡の隣だから。
皆、仲良くしろよー?」
担任はそう言って
副担任を連れて
教室を出て行った。
「え…?」
つか、今、なんて?
「ありおか…?」
高木は、有岡の隣だから。
「ありおかって、お前?」
ふいに掛けられた声。
見上げれば
高木 雄也。
「え、あ…はい。」
こくんっと頷けば
ビシビシと伝わる視線。
そして、
高木は
最悪の言葉を投げかけた。
「お前、今日から…
俺のパシリな?」
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