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そんな少女に気付いているのかいないのか。
チェシャ猫はしゃがみ込んだまま、動く気配がなかった。
少女は不思議に思うも、目を開ける事が出来ない為、ただこの状態を保つのみであった。
暫くの間チェシャ猫は、そのままだったが、ふと何を思ったのか。
そのままゆるりとした動作で寝転んでいる少女のお腹辺りに頭を乗せ、軽くごろごろと猫らしく喉を震わせたかと思うと、すぐに気持ち良さそうに寝息を吐き始めたのだ。
少女はより一層鳴る心臓にチェシャ猫が起きるのではとひやひやした。
が、少女も気を張りすぎたのか、徐々に気が抜けて、瞼をゆるりと閉じた。
今だけは、覚めない夢を。
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