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その夜は冷たい雨が降る夜だった。何もかも巧くいかなかった一日だった。俺の事を知らない所にいたかった。寂れた路地裏にその店はあった。ここなら誰も自分を知らない。
(本当に憑いてない
)
ジンを一気にあおった胃が焼けつく。
(このまま焼きつく為れて消えてしまいたい………)
俺の存在……解らない朝、会社に行きただ惰性で生きて居るだけだ。彼女は居るがそれも会社で生きていくためのアクセサリーに過ぎない。俺の存在理由・・・
ジンを一気にあおう。目の端に一人の少年がよぎった。普段なら気にする様な事も無いが何かが俺に訴えてきた
(何かがおかしい)
存在を消している?
否確かに存在を消しているがそれ以上の存在が少年にはあった。
(声を掛けるか)
一瞬戸惑い旬順する。ただ、なんと話し掛けるか?あいつの事が何故こんなに気に成るのか?
(今頃酒が回ったか?)
考えている間に少年は店から、消えていた。
(縁がなかったか?)
それから、その少年の事が頭から離れなかった。
それが二人の初めての出会いだった。
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