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いつもと変わらない朝早が来た。
奥深い森の中に、一つの家があった。
その家は、いつも笑顔と笑い声で絶えない家で、幸せな家庭だった。
しかし、今それは崩れようとしていた。
「ルナー!!ルナー!!」
お母さんの声が聞こえる。ルナと呼ばれた少女は、母の声を聞き、花を両手に沢山持ち、母のところへと走る。
彼女は母にいつも見せる笑顔を見せる。
「見てっ!こんなに綺麗なお花を見つけたのよ?きっとお母さんの体に効くはず。」
ルナは花に鼻をつけ香りをかぐ。甘い花の蜜の香り。それだけで幸せになれてしまうようなそんな香り。
「ルナ…。」
ルナとは反対に、苦痛が滲む顔をする母。それにルナは気づいていたが、あえて気づかないふりをしていた。
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