00:プロローグ 1

4/5
前へ
/5ページ
次へ
「お母さん、私…行ってくるね。」 「ルナ…。」 娘が全てを知り、理解していた事に驚く母。嬉しさもあったが、やはり自分は母親として最低であることを再認識してしまった。 母にとって、そっちの方がダメージが大きかった。 母はルナに赤いずきんを被せた。一生懸命つくったそれは、ルナにぴったりだった。 ルナはそれを被り、少しだけ頬を染めた。 「じゃあ、お母さん…行ってきます。」 「…行ってらっしゃい。」 ルナは行ってきますを強く、強く心に焼き付けながら言った。それは母に対する別れの言葉だったからだ。 母はそんな彼女の後ろ姿が森に消えるまで、いつまでも…いつまでも見ていた。 .
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加