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「お母さん、私…行ってくるね。」
「ルナ…。」
娘が全てを知り、理解していた事に驚く母。嬉しさもあったが、やはり自分は母親として最低であることを再認識してしまった。
母にとって、そっちの方がダメージが大きかった。
母はルナに赤いずきんを被せた。一生懸命つくったそれは、ルナにぴったりだった。
ルナはそれを被り、少しだけ頬を染めた。
「じゃあ、お母さん…行ってきます。」
「…行ってらっしゃい。」
ルナは行ってきますを強く、強く心に焼き付けながら言った。それは母に対する別れの言葉だったからだ。
母はそんな彼女の後ろ姿が森に消えるまで、いつまでも…いつまでも見ていた。
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