テンプレートな始まり方は春空の彼方に

3/7
前へ
/9ページ
次へ
そんなエピローグを交えつつ眠気や不安感とバトルロワイヤルしていた ―――――その時 不意に。ほんとに不意に。 ドンッ 「さばらっ!?」 「へぶっ!?」 横から何かがぶつかった。ちなみに『さばらっ!?』が僕の声ですね。 余りにも不意過ぎるんで何が起こったのさえわからない。 わかったことは人は横からものすごい勢いでぶつかられると『さばらっ!?』という声が出るということだけ。 人体って不思議ですね。まぁ……半分人じゃないんですけど。 なんて皮肉を言っていてもしょうがない。 えーっと確かぼーっとモノローグにふけてて突き当たりからなにかが衝突した? 「ひっはーい……はんはほぉ?」 ………… 足元からオンドゥル語のようなものが聞こえるんですが。 そっと足元を見てみると えーっと……いなり寿司を口にくわえた綺麗な金色の髪をした女の子が尻餅をついていました。 ……………………… あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!登校途中にいなり寿司をくわえたパツキン美少女とぶつかった……。 あまりの衝撃に頭がパニック状態で思考がうまくいかない。 え?いなり寿司……だよね? やっぱりもう2、3程見直して見ても口にくわえたそれは紛れも無くいなり寿司だった。 金髪の人を初めて見たっていうのにその上いなり寿司をくわえてるなんてインパクト強すぎにも程がある。 いなり寿司って……テンプレなら普通食パンでしょう。 こう食パンをくわえた女の子がぶつかってきて学校に行ったら同じクラスで「あーっ!君今朝の!」みたいな展開が…………。 ははっ……僕なかなか良い具合に病んでますねー。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加