テンプレートな始まり方は春空の彼方に

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彼女の第一印象はフランス人形を彷彿させるような綺麗な金色の髪にヘアバンドって言うんですか?カチューシャっぽいけどリボンみたいな布系の生地のやつ。そういったものつけていた。 さらにはっきりと整った顔立ちにどこかあどけない感じがさらにフランス人形を彷彿とさせる。 金髪の人自体初めて生で見るんですけどこの人が俗に言う不良ってやつですかね。 ええ。 100%偏見でお送りしてます。 僕がじっと眺めてしまったせいかいなり寿司をくわえ込んだ女の子は少し顔が赤くなっていた様に見えた。 そこで紳士なことで定評(母から)のあるなんともジェントルマンな健太くん。 「えーと……大丈夫?」 優しい声とともに女の子に手を差し出してあげた。 普通じゃない?みたいな感想は心の片隅にでも小さくメモしてください。 するといなり寿司をくわえた金髪美少女は急ぐようにくわえていた、いなり寿司を口へ押し込むようにして食べる。 差し出した僕の手は完全無視の方向らしい。 べっべつに泣いてなんか…… これは心の汗なんだからっ! ほうばったいなり寿司を飲み込み立ち上がりながらスカートをパンパンとはたく。 そして口を開いて第一声。 「死ねっ!」 若干口に米が残っているのか口がモゴモゴしてる……って え? 今死ねって……僕の耳に間違えが無ければ死ねって聞こえたんですけど……。 は……ははっ……気……気のせいですよね! 気のせい……ですよね……?
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