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暗い暗い空間に、ただ僕は立ち尽くしていた。
辺りには漆黒の暗闇以外、何もなくて。
置き去りにされた迷子みたいに。
この胸に、孤独を抱きながら。
――それにしても、一体此処は何処なんだろうか?
見渡す限りの闇の深さに、思わず天を仰ぐ。
ただひたすらに、何もない。
このまま僕は、ずっと永遠に孤独なんだろうか?
ふいに脳裏をよぎる不安に駆られ、気が滅入る。
やがて僕は、じっとしていても何も変わらない事を悟ると、
そんな不安を振り払うようにして、あてのない暗闇を歩き始めた。
おぼつかない足取りで。
導かれるように。
手のなるほうに。
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