6人が本棚に入れています
本棚に追加
あれからどれくらい歩いたのか?
歩けども歩けども、この道の終わりは見えなかった。
ずっと変わらない景色を歩くのにも、いい加減疲れてきて。
もう時間や距離という概念さえ消えてしまって。
この空間には、本当に“何もない”んだと、そうあきらめようとした瞬間。
ふいに暗闇の奥に、2人の人影が見えた気がした。
その2人は、まるで僕を呼ぶように手を振っている。
もちろん、その2人は北兎ちゃんと星史朗さんなのだけれど。
「待ってて、僕もすぐにそっちに行くよ。」
そう言って、僕は2人の元へと走り出した――。
最初のコメントを投稿しよう!