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楽しかった。
ずっと永遠に、
こんな時間が続けばいいとさえ思った。
…けれど、こんな楽しい時間が永遠に続くはずなんてなかった。
分かってた。
それが叶うはずのない願いなんだって事くらいは。
――もうすぐ、太陽が目を覚ます頃だろう。
「昴琉君。そろそろお別れの時が近づいてきたようですね。」
「なんだか寂しいわね。」
けれど、僕はその言葉の意味を受け入れたくなくて、我儘を言う。
「イヤです!僕は2人と一緒にいたい!」
我儘だって分かってる。
けれど、もう自分の気持ちを抑えることは出来なかった。
そして案の定、2人は当惑の表情を浮かべていた。
「ダメよ!まだ昴琉の心臓は動いてるのよ!」
「お気持ちは分かりますが、命をムダにしてはいけませんよ」
2人が聞き分けようとしない僕を諭してくる。
本当は、分かってる。
ここは、僕が居るべき世界じゃないって。
生命を持つものなら、誰だろうと、【朝】を迎えなければならないって。
けれど現実に戻っても、ただ絶望の鎖を引きずって終わりを待ち望むだけだから――。
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