6人が本棚に入れています
本棚に追加
だけどそんな僕の願望も虚しく、幻想的な光の粒子が僕を包み込んでいく。
「星史朗さん!僕も──!」
そう言うと、僕は貴方の手を掴んで。
「僕も──!連れていってください!!」と、叫んでいた。
差し伸べられるのを待つのではなく、
今度は、自分の手で掴む為に。
星史朗さんの手を、強く握って。
もう二度と、この手を離さない事を最後に誓って。
そして、霞んでいく視界の果てで、
僕に最後に向けられたのは、
貴方の少しはにかんだような、悲しい笑顔だった気がした。
最初のコメントを投稿しよう!