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あれから、僕はマンションに戻っていた。
そして何をするでもなく、ただ流されるままに生き続けていた。
ただ起きて、食べて、眠るだけ。
そんな無為な日常を繰り返していた。
まるで、本当に生ける屍のように。
何もかもがどうでもよかった。
ただ貴方の傍に行きたかった。
貴方のいない世界で、どうして僕だけが生きていかなければならない?
そう思って、貴方がいる場所まで、何度も行こうとしたのに。
ついに、この生命に終止符を打つことは出来なかった。
そして、そんな日々がずっと続いて、もう自分の心が壊れそうになる最後の瞬間――。
僕はひとつの夢を見るようになった。
とても懐かしくて、悲しい夢を。
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