■第百二十九訓■

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ナレ 「人っ子一人いない江戸の路地裏を、一人の男がタバコをふかしながら歩いている… その男の名は、土方十四郎(ひじかたとうしろう)。真選組鬼の副長と恐れられる男であった。」 土方 「?」 ナレ 「背中からの突然の衝撃に後ろを振り向く土方。そこには自分にぴたりとくっつく怪しい人影が… 自分から血が滴り落ちるのを見て初めて、自分の体が刀に貫かれていることに気付くのであった‥」 土方 「……て、てめェは…」 ナレ 「隠された顔を見ようと、顔に巻かれた布に手をかける土方。しかし力尽き、倒れ込んでしまう。 解けた布の下からのぞいた顔は…」 沖田 「土方の死体が4016体…」 ナレ 「真選組1番隊隊長、沖田総吾(おきたそうご)であった。」 沖田 「土方のバカの死体が4017体」 土方 「ぐぁああ!!」 沖田 「土方のあんちきしょーの死体が4018体」 土方 「ぎゃああああ!!」 沖田 「土方のクソったれの…」 土方 「ひつじを数えろォォォォォォォ!!」 沖田 「あれ?もう朝か…全然眠れなかったチキショー」 ナレ 「そう。さきほどの話は沖田の妄想の中のこと。 起こしに来た土方は物騒なひつじ(?)の数え方をたまたま聞いてしまったのであった。」 土方 「眠れるわけねーだろ!んなグロテスクなモン数えて!!」 沖田 「すいません、わざわざ起こしに来てくれたんですかィ4019号」 土方 「誰が4019号だ!! さっさとツラ洗って着替えろ。客だ。」 .
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