■第百二十九訓■

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■■■ 真選組頓所内客間 ■■■ 近藤 「わっはっはっはっは!」 ナレ 「真選組局長、近藤勲(こんどういさお)の明るい笑いが響く頓所(とんしょ)。 そして近藤の横には、優しい笑みをたたえた美しい女性の姿があった。」 近藤 「そうかそうか、いやそれはめでたい。 式にはぜひ真選組総出で出席させてもらうよ」 ミツバ 「でも正直結婚なんてもう諦めていたのよ。こんな身体だし。こんなオバサン誰ももらってくれないって…感謝しなきゃね」 近藤 「いやいや、ミツバ殿は昔と何にも変わらんよ。 キレイでおしとやかで賢くて、 総悟もよく話していたよ。自慢の姉だって」 ミツバ 「もう!おだてても何にも出ないわよ!」 ナレ 「その様子を襖(ふすま)の間から不思議そうに眺める真選組隊員たち」 隊員A 「オイ、誰だ?あの別嬪(べっぴん)さん。何しゃべってんだ?何笑ってるんだ?」 隊員B 「結婚がなんたら言ってなかったか?」 隊員A 「んだとォ!お妙さんという者がありながら局長の野郎ォ」 隊員B 「しーっ!!静かにしろバカ」 山崎 「お前らしらねーの?アレ、沖田さんの姉上様のミツバさんだよ」 隊員A 「えっ?」 隊員B 「あ、あの毎月激辛せんべえ送ってくる… 辛くて食えねーんだよ、アレ」 隊員A 「しかし似ても似つかねェ。あんなおしとやかで物静かな人が沖田隊長の…」 山崎 「だからよくいうだろ、兄弟のどっちかがちゃらんぽらんだともう片方はしっかりした子になるんだよ。 バランスがとれるようになってんの。世の中」 ナレ 「そんな話をしている隊員達の後ろにバズーカを肩で抱え、ぬっと立つ沖田。 自分の悪口を言われるやいなや、容赦なくバズーカを打ち込んだ。」 隊員B 「ぎゃああああ!!」 山崎 「ぎゃああああ!!」 ナレ 「隊員達は爆風とともに部屋の中に吹き飛ばされた。」 ミツバ 「まァ。相変わらずにぎやかですね。」 近藤 「おーう総悟、やっと来たか」 沖田 「すんません、コイツ片付けたら行きやすんで」 ミツバ 「そーちゃんダメよ、お友達に乱暴しちゃ」 沖田 「……! ごめんなさいおねーちゃん!!」 山崎 「えええええ!!」 近藤 「ワハハハハハ! 相変わらずミツバ殿には頭があがらんようだな、総悟」 沖田 「お久しぶりでござんす姉上。遠路はるばる江戸までご足労ご苦労様でした」 山崎 「…誰?」 .
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