夢ノ弐

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時間にして約十秒、その“異物”をじっと見たあと、 「ねぇ、霊夢…」 「何よ、今私はどうやったら動くことなくお賽銭が溜まるか考えて――」 「人ってさ、“空から落ちてくる”もんだっけ?」 「……は?」 いきなり何を、そう思い振り返って萃香が上を向いたままなのに気付き、その視線の先を見た。 空は雲一つ無い快晴だ、何かおかしな点など在るだろうか? そう思って、気付いた。 「…………ん?」 神社の真上に当たる遥か上空。 胡麻みたいに見えるほど、小さな“物体”。 余りに遠過ぎて分かりづらいが、何となくだが形が分かった。 それは四つの手足があり、頭があり、身体があり―― 「……人?」 その“異物”は、間違いなく人の形をしていた。
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