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「1❗2❗3❗カンカンカンカーン❗」
高橋友弥(以下高橋)「ったくよ…足ひっぱんじゃねえよ加藤…」
加藤忠士(以下加藤)「ごめん高橋…」
高橋「最近テメエ負けてばっかじゃねえかよ。やる気あんのか?何で俺がそんな奴とタッグ組まなきゃいけねえんだよ。」
加藤「で、でもさ、人は誰だってうまくいかないときが…」
高橋「言い訳かよ。ったくよ、こんなんでこの団体の至宝穫るのが夢とか、聞いて呆れるぜ。俺だってこの団体の至宝巻きてえよ。いつまでもオッサンたちに任せてられへんからな。テメエに付き合ってる暇はないんじゃ。じゃあな。」
加藤「……………。」
坂田(心の声)「加藤…。」
2人の会話が、近くにいた俺に聞こえてしまった。
同期であり同い年の高橋と加藤。この2人はこの団体の新世代のトップである。ここ最近負け続きで、加藤は高橋に大きく遅れをとっていた。
加藤「はぁ…俺はもう無理なのかな…」
坂田「よぉ加藤‼」
加藤「うわ社長💦ビックリした💦」
坂田「なんやお前元気ないやないか~、どないしたんや?」
加藤「………社長、俺はプロレスを続けていいと思いますか?」
坂田「なんや急に。」
加藤「俺、最近負けてばっかで…タッグだとパートナーに迷惑かけるし…練習もしっかり出来てるし、やる気もあります。でもうまくいかないんです…」
坂田「アホ❗そんなこと俺は何回も経験したわ❗んなことで辞めたいとか言うんか?甘ったれるな❗」
加藤「で、でも俺…」
坂田「お前は夢を持ってプロレスラーになったんちゃうんか❗その夢を叶えたいなら、高橋にだけは絶対負けないという気持ちでやれや❗」
加藤「…………」
坂田「ちょっと取り乱したけどな、夢を叶えるためには、ただ一生懸命なだけじゃアカンと思うねん。プロレスっていうのは弱肉強食の世界や。高橋のように同期で、同い年でお前と同じ夢を持つ奴だっておるわ。そいつより先に、俺が夢を実現させてみせるという気持ちでやらなアカンわ。」
加藤「…わかりました。俺、頑張ってみます。」
坂田「お前には期待しとるんやから、頑張ってくれや。じゃあな。」
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