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とにかく俺は
逃げ続けた。
足がもげるんじゃ
ないかって位走り
続けた。
俺はこれでも
陸上部だ。
しかも長距離。
体力には自信があった。
逃げ切る自信もな。
だから俺は逃げ続けた。
奴らはそれでも
しつこく俺を
追い掛け続けた。
だんだんと落ちて
行く俺のペース。
だが、奴らは
ペースを落とす
どころか、徐々に
ペースを上げて
来ていた。
奴らとの距離は10m程。
追い付かれるのは
時間の問題だ。
流れ出る汗を拭い
俺は正面の小さな
十字路を左に曲がった。
その瞬間。
俺は胃に何か
冷たい物がドスンと
落ちてくる様な
錯覚と心臓で爆竹が
破裂した位の、驚きと
絶望を同時に
感じ取った。
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