1人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は枕替わりにしていた通学鞄を開と
弁当を取り出しふろしきをとく…
と
不意に、無造作におきすてられた携帯が震える
俺は割り箸を口に加えつつ右手でそれを割ると同時進行に
左でそれを掴んで横についているボタンを押しその、スライド式携帯を開く
「綾香ちゃん…?」
俺は画面に表示されてい人の名前を呟く
補足で
綾香とは、先ほど説明した
母親の連れ子で、俺の義理の妹である
と
その綾香からのメール3件と
いつの間にか入っていた着信履歴が画面に表示されていた
「何かあったのかな?」
俺はとりあえず一番上のメールを開いてみる
『お兄ちゃん、助けて』
それを確認した瞬間背筋に何かが走るのを感じてとれたて
右手の割り箸を置き捨てると
俺は慌てて
その、前のメールを開く
『もう、耐えられないよ…
苦しいよ…
みんな、死んじゃえ…』
「何だよ!?
何があったんだよ!?」
綾香とは、あまりしゃべった事がなく
同じ屋根の下で生活をおくっていながら彼女の事はあまりよく知らない
が
普段、こんな事を言うような
物騒な人間では無かったはず…
さっきの迷惑メールといい…
今日は、何なんだよっ
意味がわからないよ!!
最後のメールを開くと
『綾香、お父さんが怖い』
と
画像の付属で
父に汚された妹の姿が表示される
喉の奥に
酸っぱいものがこみ上げてくる
俺は手を口に
目を見開く
「な…んだよ…
コレ…!?」
と
再び携帯が振動し
メール受信の知らせが表示される
『今、小牧駅にいるの』
同時に
俺は走り出していた
まだ
事態がイマイチ把握できていない上に
半信半疑だ
だが
俺は、今までで一番の速さで
目的の場所へと向かっていた
綾香は
あまり関わりがないと言っても
やはり、可愛い妹でもある
それに、
父さんが……
父さんは
普段、無口な人間で
自分の事を語らない
俺は実の息子でありながら父さんの事は、もしかしたら、母親以上にその人柄をよく知らないのかも知れない…
だけど、それでも仕事に勤勉で
どっしりと威厳のある父さんを
俺はそれなりに尊敬もしていた……
それまでは。
最初のコメントを投稿しよう!