第1章:セツメイショ

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余談だが 俺は 母親とそして妹とは 血が繋がっていない 俺の本当の母親は 俺が五歳、兄貴が八歳の時に家を出て行った 原因は よく 覚えていない 別に興味ないし… そして 父親は去年再婚 その相手が今の母親で 妹は母親の連れ子だった 母親は 大らかで気立てが良くて 本当にイイ人だと思う だけど やっぱり 何となく 距離ができてしまう 確かにあの人は母親ではあるが だけど 母さんでは無かった 別に 前の母さんに対して そう思い入れがあるわけでは無い のだが 何故だろう 母さんは母さん以外に有り得ない そんなで 未だに 母親やそして妹に対しても 敬語を使ったり 名前に“さん”づけで呼んだりしてしまう 無意識的に… そのたびに あんな顔すんだよな… あの人… 何だか すごい罪悪感にみまわれる 別に 悪い事なんかしていないのに そういえば 兄貴はあの人の事 何て呼んでたっけ… 今まで 気にした事が無くて だから覚えていないけど でも 兄貴と居るとき 母親があの顔をしているのを見たことが無い …ような気がする 何だったっけ… 母さん とかは 言っていなかった気がする …… ま いいや そんな事を考えていたら 何か、色々めんどくさくなって 「今日、 サボろうかな」 なんて考えてみる きっと また、あの人に叱られるだろうけど 叱られる事で 少し安心したかったのかもしれない だって 叱って、叱られて の関係は 何となく、親子っぽいから ははっ 俺って本当 「ガキ臭いっていうか…」 「ハイハイ それはわかったけど 毎回その下らない自己嫌悪につきあわされるあたしの身にもなってくれないかな?」 現在 現場変わって近所のファーストフード店の店内のテーブル席に座っている 向かいの席には 先ほど呼んだ幼稚園からの友人 つまりは幼なじみ の 平井恵美(ヒライメグミ)が座っている まぁ 幼なじみっても… 「どーでもいい高校生と違って あたし、受験生だから!」 そう 俺は高1 こいつは中3で 学校ではほぼ連まないような そんな仲 なら 何故 こいつとの関わりがあるのかというと こいつの兄平井晴(ヒライハル)と俺が友人関係にあり 幼い頃から平井家に遊びに行ったりしているうちに 何となく 今の関係が築かれていったわけだ
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