第1章:セツメイショ

6/13
前へ
/17ページ
次へ
しばらく行くと そこは、彼女の通う学校のそばの河原に居て 「何でここ来ちゃったかなぁ~」 そこは 彼女と初めて出逢った場所 彼女…御堂静香(ミドウ シズカ)は 俺の彼女である事がもったいないくらいの 容姿 頭脳 家柄 性格… 才色兼備なお嬢様だ 普通だったら、関わることもないような そんな、雲の上の人物である じゃあ、なぜ そんな彼女が俺と付き合う事になったかと言えば 話は今年の夏頃までさかのぼる 俺は、今みたいに学校をサボって そして、今みたいに、当て所もなく歩いていてここへたどり着いた この河原のひんやりとした風邪が すごく心地よくて 俺は、ここで眠っていると いつの間にか 普通の学校の下校時刻ほどになっていて こんなところで寝ていた俺だから 天下のお嬢様学校からの帰り道 静香に 俺を病人と間違えられたわけで… そんな出逢いだったけど お互いに物珍しい存在で 何となく魅かれあって で 俺から告白 合ったその日に うーん… 今考えると、なかなかどうして ロマンチックじゃないか… けど、しばらく逢ってないんだよな… 彼女は超エリートなお嬢様なわけだから 毎日多忙で ほとんどが夜中の電話やメールのみの付き合い 学校サボって こんなところに来ちゃうって事は 俺、結構欲求不満なのかねぇ 俺は そんな事を考えながら 何となく、空を仰ぎ見る 空は、あの時よりも風が冷たいけれど やっぱり青空に太陽で すがすがしい顔をしていた ピリリッピリリッ♪ と 突然 尻ポケットに入っていた携帯が振動する 俺はストラップを掴んで無造作に携帯を引き抜くと 横についているボタンを押してスライド式携帯を開いてみる と 画面には、見慣れない番号が表記されていた 「ん…?誰だ?」 俺はそのまま 通話ボタンを押し携帯を耳に当てる 『おめでとうございます! あなたは、空を見上げた人間 栄えある100000000……000人目となりました ので、あなたにスペシャルチャンスプレゼントを差し上げます!』 聞こえてきたのは、やたら甲高い女性の声だった 「はぁ!?」 突然わけのわからない事を言われ 俺は思わず素っ頓狂な声を上げる 『プレゼントの内容は 後ほど、メールにて配信させていただきます では!』 「ちょっ!あんた………切れてる」 何なんだ? 新手の詐欺だろうか…? しばらくその携帯を見つめていると 再び携帯が振動する 「今度はメール…?」 開とそこには 「な…っ! 何だよ…これ…!?」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加