二人のカタチ

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憧れていた優先輩に告白されてお付き合いするようになって1ヶ月が過ぎた。 私達は毎日のように一緒にお昼を食べたり、一緒に帰ったりしていた。優先輩と一緒に食べるお昼はとても楽しいし、時々そこに友達の唯と森本君のカップルも入って、さらに楽しいランチタイムを過ごしていた。 「ごちそ-さまぁ」 「唯さん午後は授業だっけ?」 「うん。森本は?」 「今日の午後の授業は取ってないんだなぁ。じゃ、研究室で宿題でもやって待ってるよ」 森本君はあくびをしながら大きく伸びをした。 「宿題ぃ?森本が?…先輩、コイツがちゃんと宿題やるように見はっててやって下さいね」 「あはは。了解。モリ、いつものような睡眠学習じゃダメだってさ」 「ち、ちょっ、先輩!何言うんスか!?」 いたずらっ子の笑顔で優先輩が言うと、森本君はあからさまに動揺する。その素直な慌てっぷりに思わず苦笑してしまう。 森本君は本当に天然キャラで面白い。でも、いざという時は頼りになるし、唯に対する一途な熱い想いは誰にも負けない強さがある。そんなところに、唯も惹かれたんだと思う。 森本君が後輩なせいか、唯は割と乱暴な物の言い方をしたりするけれど、その言葉の端々から森本君を好きな気持ちがにじみ出ていて、そんなふうにお互いを想い合える二人が何だか羨ましく思える。
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