320人が本棚に入れています
本棚に追加
「えぇっ?!」
羨ましい?
唯が?
私達を??
「羨ましいのは私のほうだよぉ。唯と森本君、すっごい仲良しなんだもん」
「え~っ?!私達の場合、仲良しっていうか何ていうか…そりゃ仲良しではあるけど友達みたいでさ、何か「恋人」っぽくないかな~、なんて思うんだよね」
唯の何気ない一言が、私の中にある疑問を生んだ。
『友達みたい』
『「恋人」っぽくない』
唯は言うけど、じゃあ「恋人」って何なんだろう?「恋人」と「友達」の違いって?
「ねぇ、唯。じゃあ聞くけど、「恋人」と「友達」の違いって何なのかな」
「えぇ?!…それは…う~ん…」
「だって唯は森本君とのことを「友達みたい」とか「恋人っぽくない」とか思ってるんでしょ?」
「それは、そうだけど…」
言葉につまる唯。
「じゃあさ、逆に聞くけどちさは「恋人」と「友達」の違いって何だと思う?」
「それは…やっぱりお互いを一番大事に思ってるのが「恋人」なんじゃないかなぁ…森本君は唯が一番大事、唯だって森本君が一番大事、でしょ?」
「ま…まあそうだけど…」
珍しく唯が顔を赤くしている。いつもの元気な唯とのギャップがあってカワイイ。
私達は授業が始まってからも、「恋人」と「友達」の違いについて、あ-でもない、こ-でもない、と話し合った。
…おかげで、今日の講義の内容はさっぱり頭に入っていない。今度誰かにノートうつさせてもらわなくちゃ。
最初のコメントを投稿しよう!