二人のカタチ

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「えぇっ?!」 羨ましい? 唯が? 私達を?? 「羨ましいのは私のほうだよぉ。唯と森本君、すっごい仲良しなんだもん」 「え~っ?!私達の場合、仲良しっていうか何ていうか…そりゃ仲良しではあるけど友達みたいでさ、何か「恋人」っぽくないかな~、なんて思うんだよね」 唯の何気ない一言が、私の中にある疑問を生んだ。 『友達みたい』 『「恋人」っぽくない』 唯は言うけど、じゃあ「恋人」って何なんだろう?「恋人」と「友達」の違いって? 「ねぇ、唯。じゃあ聞くけど、「恋人」と「友達」の違いって何なのかな」 「えぇ?!…それは…う~ん…」 「だって唯は森本君とのことを「友達みたい」とか「恋人っぽくない」とか思ってるんでしょ?」 「それは、そうだけど…」 言葉につまる唯。 「じゃあさ、逆に聞くけどちさは「恋人」と「友達」の違いって何だと思う?」 「それは…やっぱりお互いを一番大事に思ってるのが「恋人」なんじゃないかなぁ…森本君は唯が一番大事、唯だって森本君が一番大事、でしょ?」 「ま…まあそうだけど…」 珍しく唯が顔を赤くしている。いつもの元気な唯とのギャップがあってカワイイ。 私達は授業が始まってからも、「恋人」と「友達」の違いについて、あ-でもない、こ-でもない、と話し合った。 …おかげで、今日の講義の内容はさっぱり頭に入っていない。今度誰かにノートうつさせてもらわなくちゃ。
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