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あの時出逢わなければ…
いや、出逢ったからこそ…そこにある
それは
ある夜の事
いつものようにコンビニで買い物をしている拓海(仮名)
その日はサラサラ雨が降っており、拓海は買い物を終え、家路につこうとした
その時
入り口にたたずむ一人の女性が目に止まる
これが、俺と真希(仮名)の最初の出逢い
拓【この娘傘持って無いのか?】
拓「あのー良かったらこれ使って下さい…」拓海はなにげなくそう言うとその娘に傘を差し出した
真『えっ!いや、でも…大丈夫ですから
驚いた表情で、真希はそう言う
拓海は強引に傘を渡すと、その場から走り去る
真『えっ…あの…』
真希はその姿を只、見つめるしかなかった
それから何週間した頃、街中で2人は偶然に再会する
真『あのーこの前は傘ありがとうございました』
拓「あぁーこの前の」
真『あの後雨に濡れたんじゃないですか?風邪とか大丈夫でした?』……
そんな会話を繰り返し
拓「じゃあまた…」
真『あっそれじゃあ…』
二人はまた別々の方角に歩いていく
拓海の仕事は、とある会社の営業
今日も朝から取引先へと足を運ぶ
拓「こんにちはー、○○商事ですけどー、いつもお世話になってます」
あいさつもそこそこに、担当の方との打ち合わせ
その時
真『ご苦労様です、コーヒーお持ちしました』との声
拓「あっ、すいません、ありがとうごさ…」
拓海は一瞬固まる
拓【あの娘だ!あのコンビニの】
それは真希も同じだった
お互いに、驚いた
まさか、こんな所で再会するとは
帰り際、拓海は真希に声を掛けた
拓「こんな偶然ってあるんですねー、今度逢えたら、運命かもしれないな」
真希は少しはにかみながら、軽くうなずく
こうして 拓海と真希の最初の出逢いは偶然に偶然が重なる形で幕を閉じる
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