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とりあえず鬼を手当するために家に連れて来た
鬼が予想以上に重かったので大分時間が経ってしまった
早くしなければまずい
就「まずは傷口を綺麗にせねば」
一番酷い腹から取り掛かる
服を脱がし濡れた布で拭いてやると痛いのか顔を少ししかめた
血は止まっているものの、傷は深く痛々しい
包帯を体に巻き付け腹の傷は終了
次は頭
連れて来る時に気が付いたが
頭からも血を流している
銀色の髪と左目を覆っている布が赤く染まってしまっている
目も怪我しているのか、と思いながら布を取ってみたが特に目に怪我はしていなかった
不思議に思いつつも髪に付着している血を拭き取った
頭にもちゃんと包帯を巻き大体の手当を完了した
ふぅっと一息つく
就「………」
しかしこうして再び良く見ると本当に綺麗な容姿をしている
髪はきらきらと輝き
琥珀色の角がより一層美しく映える
肌も絹の様に細かく
雪の様に白い
鬼の話は稀に耳にするが
想像していた姿と違い過ぎる
合っているのは二本の角くらいだ
そっと銀色の髪に触れてみた
想っていたより柔らかい髪
するすると指を通り抜ける
就「早く良くなるとよいな」
『…コンコン』
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