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暗い部屋。カーテンを閉め切り、外の世界とは遮断された空間。怪しすぎるこの空間にも、一筋の光があった。僕は、その光から目を逸らさない。なぜなら――、
「よっしゃぁぁぁあああああッ!! 全ヒロイン、コンプリートォッ!」
徹夜でひたすらギャルゲーのヒロインを攻略していたのだ。そりゃあ、周りも見えなくなりますよ。カーテンだって閉め切りますよ。なんせ、この趣味は誰にも知られてはいけないトップシークレットなのだから。
「それにしても、長かった。ここまで来るのにどれだけの時間を費やしたことか」
僕がギャルゲーを決行するのは、土曜日から日曜日の間。つまり、高校が連休の時だけなのだ。なので、今から僕は睡眠を取らなければならない。もう、瞼と瞼がS極、N極の磁石のようにくっつこうしてくる。もう少し、もう少しだけ持ってくれ……。
「後一人、この女の子に告白すれば終わる」
さっきは勢いのあまりコンプリートなどと叫んでしまったが、実際は違う。まあこのワンクリックでコンプリートなんだけどね。
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