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意気込んで、ボタンをクリックしようとしたときである。
『ピンポーン』
と、甲高い音が鳴り響いた。どうやら、誰か来たようだ。
畜生、こんな朝っぱらから何の用だ? と、嫌みを垂れながら、名残惜しいワンクリックを我慢し、パソコンのディスプレイから目を逸らした。そして、椅子から立ち上がり、玄関まで直行する。
「はいはい。どちら様ですか?」
インターホン越しに喋り掛ける僕。だが、返事は返ってこない。悪戯か?
もし、そうであったら、僕は一生その犯人を恨み続けるだろう。ありとあらゆる外法を用いて、必ず呪い殺してやる。と、まあそんなことを考えている内に、返事があったのだが――、
『……どうも、伊月くん。今、大丈夫ですか?』
『大丈夫に決まってるじゃない。どうせ、徹夜でゲームでもして、今から寝ようとしてたところじゃないかしら?』
『……む。ゲーム、気になるの』
こ、これは……。お隣に住む三姉妹ではないか。
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