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「なんとか…なんとかせねば、京の町が、厄介な者どもであふれかえってしまうやもしれん…」
苦い顔で近藤は歯を食いしばった。
そんな近藤を見て、沖田はまた心が痛んだ。
その温かな瞳の中に、どれほどの人の命、責任を抱えているのだろう。
いつも人の心配をしてばかりで、自分をかえりみない。
優しいのだ。
それが、多くの人に慕われる理由であり、新撰組というくせ者揃いの組織をまとめられる理由でもあるのだが。
近藤さんらしいな…
そう思った沖田は、自然と頬が緩んでしまうのを感じた。
しかし、またすぐに真剣な表情に戻った。
皆険しい顔をしていた。
「まず、何か対策を練らなきゃな」
土方はふうと息を吐いた。
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