其ノ壱-斬れぬ輩を斬れる者-

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「二人はそいつらを結局どうしたんです?」 「…俺は…とにかくそいつを斬った。そして、橋の上まで追い詰めた。そしたら、そいつ落ちやがったんだ。」 永倉は悔しそうな顔で頭をかいた。 「逃がしちまったぜ…そいつ、見えなくなるまで気味悪い目でこっち見て、ニヤニヤしてやがった…」 「そうか…。平助はどうしたんだ?」 土方は視線を藤堂に移した。 「あ…はい。僕も…何度か斬りつけてたら、急に走って逃げ出したんです…。追い掛けたんですけど、相手の体力は底無しで…。見失いました…すみません…」 藤堂は申し訳なさそうに目を伏せた。 「そうか、二人ともご苦労だった。」 近藤は、そんな二人をねぎらうように優しく笑った。
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