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「さァて、どうしたもんか」
土方は膝を立て、吐き捨てるように言った。
「不死身って…本当にあるんですかね」
沖田が遠くを見つめながら、ぼそりと言った。
「どうだかな。俺は信じねえな。生き物ってのは死ぬもんだ。」
土方が冷たく言い放つ。
「だが、平助と永倉の話に嘘はないぞ」
近藤が悩ましげに眉間にしわをよせる。
「いくら斬っても死ななかったんだよな?」
原田が二人に問いかけると、二人は静かに頷いた。
その時沖田は、何かに気付いたように二人を見た。
「それってでも、傷が治ってたわけじゃないんですよね?」
「ああ、傷はそのままだったが…」
永倉がキョトンとした。
「んじゃあ、奴らが動けなくしたらどうですか?どんな生き物でも、体を切り離されたら動けませんよ」
重苦しいこの空気を一掃するように明るく言った。
沖田が近藤に笑顔を向ける。
近藤は一瞬困惑した。
無垢な笑顔だった。
まるで、何かいたずらを思い出したかのような。
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