最終章 光と共に

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「みなさん、元気そうですね。嬉しいです」 「元気すぎるけどな。前にも増して」 「それで、義兄さんはどうするの? これから」 「そうだなぁ…………落ち着いたら、旅にでも出ようかな。アリスは、どうする?」 「私は……元の世界に戻るわ。義兄さんほど、この世界に馴染んでいないし、まだまだ向こうでやらないといけないこともあるから」 「おい! モタモタするなっての!」  ゆったりと話していると、ギルドに怒られてしまった。弘樹とキヌア、アリスは笑いながら仲間のもとへ走る。  守護者の力を存分に使って、帝都や王都、他にも復興すべき場所は着実に元の姿を取り戻していく。  弘樹達だけではない。  人々も元気に働き、皆が皆、希望に満ちていた。  仕事の後は宴だ。  どこからともなく酒と食材を見つけ出し、思い思いに楽しむ。  歌い、躍り、生を謳歌する。  その様は、とても美しいものだった。  一つ、皆が悲しみに暮れたのは、皇帝エルムガストの葬儀だ。  キヌアは父の死を受け止め、静かに黙祷を捧げていた。葬儀には三国の首脳を始め、帝都を訪れた全ての人々が立ち合い、代々の皇帝が眠っている陵へ葬られた。  また、次なる帝国の指導者は、大多数の推挙でジャン・シュッツバルトに決められた。  彼はルミナ姫こそが正当な継承者であると主張したが、キヌアが是非にと言うのでそれ以上何も言えず、皇帝の陵の前で厳粛な戴冠式が行われた。
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