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「汝……何者だ?」
「名は名乗ったはずです。そして目的もね。さあ、出番ですよ!」
パンッとモレクが手を打つと、どこからともなく黒い影のような巨人が現れた。
不気味に光る紅い一つ目が光り、甲高く叫ぶような泣き声を出している。
「かの守護者を捕らえなさい!」
モレクの指令と共に巨人は駆け出した。
得体の知れぬ相手ではあったが、最強の精霊と呼ばれたヴァルカンは咆哮を轟かせて腕を振り上げ、鋭い爪で巨人を一撃の下に切り裂く。
「まだまだ!」
さらにモレクが手を叩くと、今度は三体の巨人が現れた。
「大人しく捕まりなさい!」
「小癪な真似を……」
口内の炎は眩い閃光へ変化し、放たれるのと同時に巨人たちは消滅する。
「さすがは最強の守護者。この程度では、無理ですか……」
「貴様も我が火焔に呑まれるがよい!」
「フッ、少し本気を出しましょうか!」
モレクが跳躍し、二人は火の粉の嵐に包まれた……。
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