まだ始まりですらない *OPENNING SE*

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「…こうして、地球は『至福の一年』を迎えた訳だが、実際に何が行われていたのかは資料が全く無いので推測も出来ん。以上、ここは試験に良く出るので覚えておけよ?」 はーい、とダルそうな返事が教室のあちこちから聞こえる歴史の授業中。 電脳ボードに『至福の一年後』と文字を入力した『地球歴史』教諭の天城が 「んじゃあ、次は…」 と言いかけた途端に授業終了の鐘が鳴った。 生徒達の「終わりだ、やった-っ」と言う歓声の中、ただ1人亜麻色の髪の少女がまだ教科書を見ている… 「おい、春日音、いつまで寝てるんだ?日直が号令掛けねーと終われないんだが?」 …訳では無かったようだ。 天城に名前を呼ばれた少女は、はへぇ、と場違いの返事を返し、教室には笑いが渦巻いた。   
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