再会だけど出会い

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洋芳学園では、恒例の卒業式演劇が行われていた。 卒業式の直後、一年生、二年生の演劇部員が、三年生のリクエストを演じるものだ。 今年はロミオとジュリエット。つまらない、くだらない三文芝居だ。 たかが十代の火遊びが、時代を超えて演じられるのが信じられない。 今、ロミオを演じている俺が言うのもおかしいか。 芝居は進む。 そして、終わる。 拍手が起こる。 しつこいほど鳴りやまない。 ステージから降りても賛辞の言葉が掛けられる。 感謝の言葉を述べるが、俺にとって何の意味もない。ただの流れ作業のことだ。 「君、ロミオやってた染矢真紅君だよね? 僕、C&Yプロダクションの三浦って言うんだけど…」 「芸能界とか興味ないので。さようなら」 名刺も受け取らず、目も合わさず着替えに向かう。 あっさり無視されたスカウトマンは突っ立ったまま。 俺は染矢真紅。洋芳学園の二年生で、来月からは三年になる。 この学園はかなりの金持ち校で、授業料もかなり高い。 俺の父親は建築家で、海外の仕事がメイン。海外に行ってもう三年もたつ。
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