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「家事はやれますから」
「俺、高校入った時から一人暮らしやってる。家事ならやれるし、ハウスキーピングもたまに頼むからいらない」
俺がはっきり言うと、俯いてしまった。
同じ学校ということで、俺のことは知っていたらしいが、どうやらこの程度のようだ。
「それに、あんたほど美人で頭いいなら、キャバやれるじゃないか」
「それは…出来ません」
「その気になったらすぐだろう」
小刻みに首を横に振る。
とりあえず世間の目が気になるというところか。
「…ここに、いさせてください…なんでもしますから」
「いくら必要なんだ?」
「半年分くらい…」
「七百、八百万円か」
用意できない額ではない。
「なんで俺なんだ?」
「口が固くて人に興味が無さそうだったから」
興味が無い、か。言い得て妙だな。自由にさせてくれると言う意味だろうか。
「何もしなくていい。洗濯も食事も自分でやるから」
「え?」
「ベッドは一つしかないし、布団も無いがどうするんだ?」
「ソファで結構です」
「まあ、必要な物はネットで買えばいいから」
テレビの隣りのパソコンを指差す。
「あ、でも…」
「なんだ?」
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