女性と子供にしか見えない女

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I君は小学生のときに少年自然の家にリクレーションに行ったという そのリクレーションには父母がお手伝いとして来ていた。 I君の父母も来ていた。 昼間はみんなで野山で遊んだり自然を観察して楽しんだ。 夜は各部屋で交流ということで、少し女の子っぽいI君は気が合う女の子の友達がいる部屋に行き遊んでいたという。 I君たちはトランプやウノなどでしばらく遊んでいた。 そして遊んでいる最中、ある女の子が窓の所で騒ぎ始めた。 なにを騒いでいるのかと言うと、向かい側に見える建物の窓に女の人がへ張りついてこっちを見ているのだという。 I君も窓からそちらを見てみた。 確かに女の子の言った通り向かい側の建物の窓に女の姿が見えた。 髪が長く、青白い顔をしていて白い服を着ている。そして大きく目を見開いて窓に手をつき、へ張りついてこっちの方を見ている。 不思議なことにその女がへ張りついている部屋は真っ暗なのにも関わらず、女の姿はなぜか闇に浮かび上がって見えていたという。しかも誰もいないはずの電気が消えたあとの図書館にである。 恐怖のあまり女の子が泣き出したり何かただ事ではない感じがしたから、I達はお手伝いで来ていた父母や先生を呼んだ。 いち早くI君のお母さんがその部屋に来て、窓から電気がついていない図書館を見たらやはり女がへ張りついている!Iのお母さんは腰を抜かしてしまったという。 その後この幽霊騒ぎで、一時騒然となり父母や先生や他の子供たちも大勢集まって来た。 しかし大人の男性にはへ張りついている女が見えないらしく「何もいない」と口をそろえて言った。男の子達も何も見えていないようである。 その後10分くらい女はへ張りついてこちらを見ていてがいつの間にか見えなくなったという そしてI君は別として、女性にしか見えないという幽霊騒動は幕を降ろした。 どうやらこの施設では前々から幽霊が出ることが知られた心霊スポットっであったようで、落ち武者がでるという話もあるらしい。  
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