始まり

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始まり

「遅いよ~早く~」 「待てって。お前は早すぎるんだよ」 俺たちは崖を登る。この崖を登ったら花がたくさん咲いている所がある。 俺の名前は[林崎 クロ]。 「クロはホント遅いね」 「うるせーチカなんかに言われたくねー」 「なによ~」 チカは少し笑いながら俺に手をさしのべる。 「ありがとよ」 俺は少し照れながらお礼を言った。 俺と一緒にいるコイツは俺の幼なじみで名前は[白間 チカ]俺はコイツと一緒にいるのは楽しい。 だからコイツが行きたい所はついて行く。 別に恋とかじゃねぇぞ。ただ一緒にいてて楽しいだけだ。 そして俺とチカは花が咲いているところへ行く 「おースゲー」 目の前には花が色とりどりに咲いていた。 「チカ、なんでこんなところがわかったんだ」 「昔、おばあちゃんに聞いたことがあるの」 「お前のおばあちゃんは物知りだなー」 「うん!」 チカは笑顔で答えた。 俺たちは花を少しとり家に帰ろうとしていた。 「グォォォォォォン」 いきなりうしろから声がした。うしろを振り向くと魔物がいた。 魔物。何度か町の人たちが戦っていたのを見たことがある。 昔、隣町に行こうとしていたら道中、魔物と会った。その時は親父や町の人たちが戦ってくれた。 大人数人で倒した相手が今ここにいる。 「チカ!逃げろ!」 だがチカは動かなかった。魔物を見て足が動かないようだ。 俺は小枝を拾って構える。だが魔物は容赦なく俺たちに襲いかかる。俺は魔物に殴られ石に背中をぶつける。俺は意識がとんだ。 気がついた時は崖の下にいた。チカもそこにねっころがっていた。 「チカ!大丈夫か!」 俺はチカに近づく。だがチカから反応がない。俺はチカを抱きかかえ走った。背中は痛かったが走った。 チカは命にべつじょうはなかった。俺はチカの親に何度も頭を下げた。 俺はそれ以来チカに会ってない。どんな顔をして会えばいいかわからなかった。俺は強くない。チカ一人を守れなかった。俺が強かったら。俺は何度も思っていた。そして俺は決心した。 「親父」 「どうした?」 親父は俺に顔を向けた。 「俺、俺、王都に行きたいんだ。王都に行って騎士学校へ行きたいんだ」 王都はすごく大きな街だ。そこには騎士学校という場所がある。そこで俺は強くなろうと考えた。親父は少し考えたあとに戸棚から札をとりだした。 「ありがとう親父」 俺はそれだけを言い家をでた。親父は帰ってこいよ。としか言わなかった。
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