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あるところに
父子家庭の親子が
ありました───
「おとーさん!」
「なんじゃ?」
「おとーさんって
時給いくらくらい?」
「2000円くらいか」
「じゃ僕に1000円
ちょうだい?」
「てめえは馬鹿かっ!
何で時給も聞いて
小遣いせがむんだっ!
もう寝ろばか野郎!」
「ごめんなさい」
父は考える。
言い過ぎた、と。
「おい。」
「何?おとーさん。」
「さっきは言い過ぎた
すまないな。これは
お前の1000円じゃ。
好きに使えや。」
「有り難う。」
子供は自分の貯金箱
ともらった1000円を
差し出し、言った。
「ここに2000円ある
よ。おとーさんに
渡すからさ、明日
の夜は一時間早く
帰ってきて?」
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