第一章

12/13
33人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
   ―サーカス会場―     クラウン 「さあさあ皆様、ようこそ御出で下さいました!今宵は夢ノ世界を十分に満喫して下さいね。」     ビジュ 「あら、あのピエロ結構格好良いわね。欲しくなっちゃう!」   レズリー 「そ、そうですね。」   ビジュ 「お父様にお願いして、買って貰おうかしら?こんな汚いサーカスに居るより、彼の為にも良いわよねっ!」   レズリー 「そ、そうですね…。」   ビジュ 「あんたは同じ返事ばっかりでつまらない!もっと上手い事言えないの?!」   レズリー 「も、申し訳御座いません…。」   ビジュ 「ふんっ!」     カーヤ 「さあ皆様っ!カーヤとレノンの空中ブランコ!とくとご覧下さいませー!」   レノン 「ませー!!」     子供A 「きゃああー!!」   子供B 「すごーい!すごーい!!」     ディア 「……人間ならこんなものかしらね。」 (溜息を吐きながら)   ビラブド 「私達なら、普通に飛べちゃうものね。」     クラウン 「さあさあお次は猛獣使いの登場です!今回扱う動物は――狼ですよ!」     子供A 「こわーい!!」   子供B 「どうなるんだー!?」     ナナシ 「あー……。この犬!…じゃねぇ……。これよりこの狼に、火ノ輪潜りをして貰う!」   クラウン 「さあさあ皆様、拍手の用意は良いですか?それでは行きますよ!」     子供A 「ひゃああああ!!」   子供B 「わあああああっ!!」     ペト 「次は皆様に"不思議"をご覧頂きましょう…。さあ、眼を閉じて…。――再び眼を開けた時、此処はお菓子の国…。」     子供A 「あれ…!!?」   子供B 「サーカスじゃない!!わ、お菓子だあ!!」   子供A 「きゃあ!すごいー!!」     ディア 「―――…あら…まあ。」   ビラブド 「私達と似た様な子がいるわね、お姉様。」   ディア 「落ちぶれ悪魔か、――夢魔(むま)かしら?」   ビラブド 「能力的に夢魔っぽいけれど…、ふふ、ねぇお姉様。私、もう飽きちゃったわ。そろそろ――…。」   ディア 「本当に自分勝手ね。…まあ良いわ。私は最初から見るのは嫌だったんだから。」
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!