第二章

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    ―白い部屋―     紗夜 「お腹空いたようー…。弥紅ちゃん、弥紅ちゃん。何か持ってなあい?」 (泣きべそ掻きながら)   弥紅 「…ごめん、持ってないわ…。」   紗夜 「うううー…お腹と背中がくっついちゃうようー……。」   弥紅 「紗夜、爪を噛むの止めなさい。…大人になったら後悔するわよ。」   紗夜 「うん……。けど何か噛んで無いと落ち着かないんだもん…。」   弥紅 「――…何か……あ、チョコレート…。」 (着物の袂を漁り)   紗夜 「ちょこれーと!!?」 (嬉々としながら)   弥紅 「あげるわ。――けど、ゆっくり食べなさいね。」   紗夜 「うん!ありがとう弥紅ちゃん!いただきまーす♪」   弥紅 「――――…。 (柔らかく微笑んで)   此処から抜け出す方法、見つけなきゃいけないわね…。」   紗夜 「むうー…。あ、ねえ弥紅ちゃん。さっき声が聞こえなかった?」   弥紅 「声…?何処から?」   紗夜 「あそこの鏡の中から!」   弥紅 「鏡……。  (鏡へと歩み寄り)   これだけ、白じゃないのね。此の部屋は其れ以外全て白で統一されているのに…。」   紗夜 「怪しいよねえ?」   弥紅 「此処から抜け出すヒントはあるかも知れないわね…。」   紗夜 「呪文を唱えるとか?」   弥紅 「呪文…?」   紗夜 「うん!例えばねえー……。」
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