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―白い部屋―
紗夜
「お腹空いたようー…。弥紅ちゃん、弥紅ちゃん。何か持ってなあい?」
(泣きべそ掻きながら)
弥紅
「…ごめん、持ってないわ…。」
紗夜
「うううー…お腹と背中がくっついちゃうようー……。」
弥紅
「紗夜、爪を噛むの止めなさい。…大人になったら後悔するわよ。」
紗夜
「うん……。けど何か噛んで無いと落ち着かないんだもん…。」
弥紅
「――…何か……あ、チョコレート…。」
(着物の袂を漁り)
紗夜
「ちょこれーと!!?」
(嬉々としながら)
弥紅
「あげるわ。――けど、ゆっくり食べなさいね。」
紗夜
「うん!ありがとう弥紅ちゃん!いただきまーす♪」
弥紅
「――――…。
(柔らかく微笑んで)
此処から抜け出す方法、見つけなきゃいけないわね…。」
紗夜
「むうー…。あ、ねえ弥紅ちゃん。さっき声が聞こえなかった?」
弥紅
「声…?何処から?」
紗夜
「あそこの鏡の中から!」
弥紅
「鏡……。
(鏡へと歩み寄り)
これだけ、白じゃないのね。此の部屋は其れ以外全て白で統一されているのに…。」
紗夜
「怪しいよねえ?」
弥紅
「此処から抜け出すヒントはあるかも知れないわね…。」
紗夜
「呪文を唱えるとか?」
弥紅
「呪文…?」
紗夜
「うん!例えばねえー……。」
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