第二章

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    ―夢ノ国―     カーヤ 「開けゴマァああああ!!」 (叫ぶ位の勢いで)   レノン 「ごまー!」      【間】     カーヤ 「――これも駄目か!」 (落胆)   レノン 「本当にこの鏡の中にクラウン達がいるのー?」   カーヤ 「ああ、間違いねーぜ!俺見たし!クラウンと、ペティとナナシ、其れに観客の…―、」     レズリー 「あ、あの…!!」   カーヤ 「うわ!?」   レノン 「君は…?」   レズリー 「あ、あの、私、姫様のお付きでサーカスを見に来た者ですが…、あの、姫様が途中で消えてしまったんです!――ご、御存じないですか…!?」      【カーヤ、鏡を指差し】     カーヤ 「こん中かも。」   レズリー 「鏡…ですか…?」   レノン 「鏡がぴかぴか光って、ぐるぐる風が舞って、何人かがひゅーんって吸いこまれたんだって!」   レズリー 「え?…え?」 (動揺しながら)   カーヤ 「信じられねぇって顔だな。」   レノン 「だなっ。」   レズリー 「ご、ごめんなさい。けど、これ…普通の鏡、ですよね?どうして……――。」   カーヤ 「これは普通の鏡なんかじゃねーぞ。」   レノン 「ぞ!」   カーヤ 「話せば長くなんだが、此の鏡は、遠い昔から存在してる物なんだ。伝えられている逸話があってな…――。」 (声を潜め)
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