第二章

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     ―過去―     ロッティ 「ラティーシャ様、王様が御帰りになりましたよ!」   ラティーシャ 「あら、今回は早かったのね。――はあ…、自由な時間もお終いだわ。」   ロッティ 「そんなお顔されないで下さいまし。ほら、ラティーシャ様がお願いされていたお土産も御座いますよ!」 (最初は苦笑を浮かべながら、  後半はにっこりと。)   ラティーシャ 「あァ、姿見の鏡ね。持って来てくれる?」   ロッティ 「はい、かしこまりました。少しお待ち下さい。」      【ロッティ部屋から出る】     ディア(N) 「遥か昔から、鏡は異世界への扉となる、と云われておりました。」   ビラブド(N) 「遥か昔から、鏡には魔が宿る、と言われておりました。」   ディア(N) 「王女の土産にと、王が買ってきた姿見の鏡も例外では無く、――其の鏡には悪魔の姉妹が宿っておりました。」   ビラブド(N) 「現世に墜ちたばかりで、能力の無い悪魔姉妹は、王女の感情を吸いながら、力を蓄えてゆきました。」   ディア(N) 「そして、王女が王を殺したあの晩、力は最大に達したのです。」   ビラブド(N) 「もう誰も私達悪魔姉妹からは抜け出せない。私達の創りし世界からは脱出出来ない。」   ディア(N) 「けれど、仕方無いのです。」   ビラブド(N) 「これは、運命なんですから。」
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