第二章

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    ―赤い部屋―     エンデ 「――生き残った者だけに、全ての願いが叶う宝物~?」 (胡散臭そうに)   ビラブド 「そうそう。確かに、最初に会った王女様はそう言っていたの。」   ロジー 「最後に残るって如何言う事?あたし達全員で戦争しろって事?」   ビラブド 「戦争と云うよりー…殺し合い、みたいなものじゃないかしら。」   エンデ 「ハッ…馬鹿げてる。誰が信じるかっつーんだよ、なあ?」   ロジー 「そ、そうよね!」   エンデ 「取り敢えず、此処から脱出する方法考えようぜ?――まず此の部屋のドアを何とか開けて、家全体を確認しないとな…。」   ビラブド 「あら、扉なら簡単に開くわ。――ほら。」 (扉を開けながら)   ロジー 「ええ!?嘘!?」   エンデ 「さっきはびくともしなかったぞ!?」   ビラブド 「"開かない筈だ""開く訳が無い"そう思っていたら、此の扉は開かないの。   ――此処は想いの強さが影響する世界。負けると思えば負けるし、勝てると思えば勝てる。   死ぬと思えば死ぬし、生きたいと望めば生きて居られる。   そんな不思議な、悪魔が創りし未知の世界。」 (怪しく笑いながら)   ロジー 「……あなた、何者?」   ビラブド 「ふふ。何者だと思いたい?私は其れによって姿を変える。   人間だと思うなら人間に、化物だと思うなら化物に、悪魔だと思うなら悪魔に…――。」   エンデ 「……意味、解らないし…。」   ビラブド 「――ふ…。扉は開いたわ。後は好きに行動しましょう?…貴方達にはヒントもあげたんだから、最後まで頑張って。」 (歩き始める)   ロジー 「あ、ま、待って!!」   エンデ 「何で……?」     ビラブド(N) 「"其処に彼女の姿は無い筈だ"。そう、傲慢の少年が思ったから、彼等に私の姿は見えなくなったのです。――さあ、彼等のゲームは始まりました。」
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