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―白い部屋―
紗夜
「ほら、弥紅ちゃん!やっぱり此の鏡は通路になってたんだよー!」
弥紅
「鏡の後ろに、ドアがあるなんて……。」
紗夜
「誰かがドアを鏡で隠してたのかな?――まあ良いやっ!行こう、弥紅ちゃん!早くお外に出てお店に戻らないと、また女将さんに怒られちゃうよう。」
弥紅
「そうね…行きましょうか。」
ディア
「あら、扉を見付けたの?貴女方は他の子より優秀ね。」
紗夜
「わあ!?」
弥紅
「い、いつから、其処に…。」
ディア
「さっきから居たわよ。貴女達が"この世界には自分達二人きりだ"なんて思うから、見えなかっただけ。」
紗夜
「――?意味解らないよ。居たなら見えるでしょ?」
ディア
「此処は、そう思ったら見えなくなる世界なのよ。――さぁて、お嬢様方。私からゲームの説明をしてあげるわ。」
弥紅
「ゲーム?」
ディア
「ええ。最後に残った者の願いが叶うゲームよ。」
紗夜
「願いが…叶う…。それって、お腹いっぱい食べたいとか、お家に帰りたいとかでも叶うの!?」
ディア
「そんなつまらない願い事?勿論、簡単よ。――人を生き還らせて欲しい、でも、好きな人の愛を自分に向けるのでも、ね…。」
(くすりと笑みを湛え)
弥紅
「――っ…。」
(ディアを睨み付ける様に)
ディア
「ふふ…。ゲームは簡単。此の世界には、七つの罪と、ひとつの夢が在るわ。七つの罪の内六つと、一つの夢を手に入れれば、其れで終わり。」
弥紅
「簡単ね…。」
紗夜
「ねっ!これなら紗夜達にも出来そうだよー!」
ディア
「きっと出来るわ。――扉を見付けた貴女達にはきっと、ね。もうとっくにゲームは始まっているの。早く往きなさい?」
弥紅
「貴女は?」
ディア
「私?――ふふ、私は行く訳無いでしょう?願いを叶える側の者なんだから…。」
紗夜
「弥紅ちゃーん!早く早く―!!」
(少し遠くから)
【弥紅、ディアを一度見、
扉の向こうへと走る】
ディア
「さあ、全ての贄が動き出したわ。――本格的なゲームの始まりね。ふふふ。」
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