第三章

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    ―黄の扉前―     クラウン 「さて、一通り歩いてきましたが…――出口はおろか、窓さえも無いんですねぇ。」   テディ 「此処は…悪魔が作った世界……だから…。普通には…出られないと…思うの…。」   ビジュ 「じゃあどうしろって言うの!?私は嫌よ!こんな何も無い屋敷の中で暮らすなんて!!」   テディ 「ひっ…!」   クラウン 「まぁまぁお嬢様、落ち着いて下さい。ほら、これをどうぞ。落ち着きますよ?」   ビジュ 「…何これ。造花?」   クラウン 「ええ。造花に香を付けたものです。」   ビジュ 「ふーん…。あんたは色々なモノ持ってるのね?頭も良いみたいだし、顔も良いし、気に入ったわ!此処を出たら、私の家に来なさいよ?」   クラウン 「丁重にお断り致しましょう。貴女の愛玩道具になる気はありませんのでね。」   ビジュ 「なっ…!!私があんたを欲しいって言ってるのよ!あんたに拒否権は無いの!!」   テディ 「あ、あの…其の話は…一旦置いておいて…出口を……。」   ビジュ 「うるさい!私に指図しないで頂戴!あんたを見てるとムカムカする!!」 (突き飛ばして)   テディ 「きゃあ…!!」   クラウン 「おやおや…。随分気性の荒いお嬢様ですね。」 (溜息混じりに、呆れた様に)
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