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一方で、帰路を走る命は自分のとった行動を、軽率だったと反省していた。
先の彼女の言葉、それは意地というかプライドから来た、単なる虚言に過ぎなかったのだ。
きっと明日は、相当に揉まれて終局するだろうと、命は今のうちから後悔したのだ。
「はぁ…。」
肌寒い冬の日。
命の吐息は白く、舞う雪も白く。
ここに、負けじと黒があれば、まさに碁盤上の景色なのに。
そんなくだらない事をふと考え、自分が本当に囲碁好きであると再認識した。
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