白黒ギャラクシー

ふたりの軌跡

その為、近頃はたとい両親が事故を起こしても、またかの一言で終わってしまうのだ。

慣れとはまったく恐ろしいものである。

「ただいま」

突如、ドアが開く。
家に入ってきたその人もまた、冬の寒さに身を震わせていた。

「聞いたぞ。遊梨のヤツ、また事故を起こしたらしいな」

男性は、心配するようすもなく、大きく笑った。
彼こそ、バイク事故のプロフェッショナルの左翼こと、桐生家の大黒柱。桐生 煉である。