ふたりの軌跡

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「悠治くんだって、私とやって中押し勝ちしたじゃないですか。私は、まだまだですよ。」 遠慮したように、命は微笑する。 実際に一週間前に、命は白川の孫である悠治と対局している。 結果は、大敗。 序盤で勝利を確信した命の、つまらないミスによるものだった。 「悠治には、碁を教えてもう三ヶ月になる。 君は一週間でそんな悠治を追い込んだんだ。もっと誇ってもいい」 自分の孫のことはさておき、誇らしげに熱弁する白川のおじいさん。 そうまで言われ、命は納得せざるを得なかった。
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