ふたりの軌跡

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「すいません…。今日はもう遅いから。 あ、これ席料です。」 そう言って、命は白川に500円玉を手渡す。 するとたちまち、別れを惜しむ声が碁会所からあがった。 「大事な命ちゃんに何かあったら、困るだろ? ほら、散った散った!」 白川は、腕を組んだまま老人組を諭した。 「ありがとうございました。 あ、白川さん。 明日、7子で打ちましょうよ。 なんなら、もう一つ減っても大丈夫ですよ」 それだけ言い残すと、命は会釈し、碁会所のドアを閉じた。
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