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白川にとって、嬉しい事ではある。
だが、同時に彼女の向上心に畏怖さえ覚えた。
ドア越しに見た、ランドセルを背負ったその幼い容姿に、白川はとてつもない大器を連想していた。
「彼女なら…。あるいはプロに…!」
白川の目は、輝いていた。
老眼鏡、その奥の両目に希望の光が宿った。
ざわめきが、碁会所を支配し、やがて一人の老人が、冗談だろうと声を上げる。
張り詰めた空気は、その老人の一声で失せたものの、白川だけは、命の後ろ姿をずっと見つめていた。
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